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『プラトン全集』第3巻

通読

ソピステス』『ポリティコス』を収める。解説によれば、文体統計学的に見てこれらはいずれも後期対話篇に属し、とりわけ『ソピステス』は『パルメニデス』篇におけるイデア論の自己批判を受けて記されたものである。

ソピステス

『テアイテトス』篇と物語時間上連続している。すなわち『テアイテトス』篇の最後で翌日再び集まるよう約したソクラテス・テオドロス・テアイテトスらが、約束通り集まって対話を開始したという設定になっている。ただしエレアからの客人が新たに登場し、かれとテアイテトスとの対話が中心となる。

ソフィスト・政治家・哲学者の三者をどう規定すべきかというソクラテスの問いに応じて、本対話篇ではエレアの客人がまずソフィストを規定することを試みる。まず「分割」によってソフィストの技術を定義することが試みられるが、その過程でソフィストがあまりに多様に現れるため、仕切りなおしてより本質を捉えた分割が試みられる。再び技術一般からの分割が始まるが、「影像を作る技術」を「似像を作る技術」と「見かけだけの像を作る技術」に分割するさいに、そもそも虚偽が存在しうるということについての困難に逢着する。というのも虚偽が存在するという言説は――パルメニデスに反対して――「あらぬものがある」ことを前提するからだ。この困難を解決した後、残りの分割を終えて、二人はソフィストの十全な定義にたどり着く。

「ある」と「あらぬ」に関する議論はあまりに込み入っていて理解が追いついていない。

『ポリティコス』

ソフィストを規定した『ソピステス』に続き、本対話篇はエレアからの客人と若いソクラテス(老ソクラテスと同名の他人)が政治家を規定することを試みる。まず分割によって人間集団を飼育する技術という定義を得るが、医術その他もそうである以上これは誤りである、と客人が指摘し、また宇宙の周期についてのミュートスを語ることを通じてこれを確証する。次いで類例により理解するしかたが提案され、機織り術を類例として政治術が分析される。具体的には補助原因となる技術からそれが区別される。

ここで客人は政体の分類を行う。すなわち君主制・寡頭制・民主制を、それぞれ法律を遵奉するか否かにより分類し、『国家』篇のいわゆる「哲人王」的な政治を第七のものとしてこれに付け加える。かつ前六者に参画する政治家は「内紛的党派指導者」(303C)として斥けられ、理想国家のみがひき続き考察の対象となる。いくつかの技術がさらに分類された後、客人は異なる気質の人びとを織り合わせる技術を政治家の技術として提示する。