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中井久夫『治療文化論』

通読

今日の精神医学の営みを、広義の「治療文化」から捉えなおす試み。『西欧精神医学背景史』 を読み返す機会があり、水曜あたりにその参考文献として読んだ。『背景史』初読時は情報を満載した図表の数々に恐れ慄いていたけれど、これはどうも中井久夫の流儀らしいと分かってきた。きちんと見ていけば読解を助ける効用があることも。

良書なのでまとめる作業をしたいが今手元にないので保留。ともあれときに中井久夫自身に関するものを含めた数々の挿話が印象的だった。そしてまた、個人-文化-普遍症候群の階層性、また「個人-環界」の問題とその解決 Erlösung といった枠組みは、中井久夫歴史観、具体的には『分裂病と人類』所収の諸論文における名人芸的な分析、に色濃く反映されているように思われる。

治療文化論―精神医学的再構築の試み (岩波現代文庫)

治療文化論―精神医学的再構築の試み (岩波現代文庫)