読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

岡義武『近代日本の政治家』

戦前日本を代表する五人の政治家、すなわち伊藤博文大隈重信原敬犬養毅西園寺公望の評伝。昨年同著者の『山県有朋』を読んだときには、こうした政治家の性格だとか心情を描いた伝記を読むことの意味を今ひとつ摑めなかったのだが――そして今でも明確にその意義を言えるわけではないけれど――、しかし政治史を理解する上で重要であることは何となしに分かってきた。当然ながら政治過程がトップダウン型であるのに応じて個々人の判断が重要になり、なされた判断を吟味するにあたって属人的な背景を見ていくことが必要になるわけだけど、そうでなくとも同時代の政治の雰囲気を知るために個々の政治家像を追うのは実は正攻法であるのかもしれない。

遅塚『史学概論』は本書を「尚古的歴史学」の代表例に挙げているけれども、本書の大目標はそれを越えたところにある気がしている。例えばまえがきには、本書の目的の一つは「リーダーシップ」の研究だとある。もっともこの点については本書で何が解明されているのかまだよく分からない。

近代日本の政治家 (岩波現代文庫―社会)

近代日本の政治家 (岩波現代文庫―社会)