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西田亮介『メディアと自民党』

メディアと自民党 (角川新書)

メディアと自民党 (角川新書)

  • 西田亮介『メディアと自民党』角川新書、2015年。

メディアと日本政治の関係(とりわけ両者の両者に対する戦略)の変遷と現在の課題をテーマとした本。

著者によれば、2000年代以前は政治のメディア戦略は協調路線を旨としていた(「慣れ親しみの時代」)のに対し、自民党改革・郵政選挙を契機に多様なメディア戦略を活用するようになる(「移行と試行錯誤の時代」)。第2次安倍内閣の発足以後はより短期的な利益を重視した戦略的行動が取られるようになる(「対立・コントロール期」)。著者はこの見取り図をもとに、自民党政権が――ときに歓迎できない仕方であるにせよ、合法的で有権者の政治意識を惹起するような――メディア戦略を洗練させてきているのに対し、メディアの政治戦略がそこに対応しきれていない現実を指摘し、従来の「速報、取材、告発」に重きを置く方法論を、「整理、分析、啓蒙」指向へと転換することを提案する。

政治のメディア戦略とメディアの政治戦略の間に緊張関係が存在するべきである、という議論がひとつの肝で、これは持っておくべき視点だと思う。「イメージ政治」に啓蒙を対置する議論は J. ヒースもしていたけれど、ここでは日本政治に焦点を合わせているうえ、それを担うべき主体のひとつにメディアを挙げているのが興味深い。