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『江戸川乱歩傑作選』

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

二銭銅貨」「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」「芋虫」の計九篇を収める。

乱歩を読むのは初めてだと思う。「南無阿弥陀佛」には既視感があるので、あるいは「二銭銅貨」くらいは子供の頃に読んだかもしれないが、トリックだけ聞き知っていた可能性も大いにある。

ミステリはどれも面白い。普段ミステリなどほとんど読まないのでごく素朴に楽しんだ。「明智探偵」の印象が強かったので、犯人中心の倒叙ものが多いのが意外に感じた。まあこれはたまたまかもしれない。

他方で最後二篇はいまいち興をそそられない。とはいえ怪奇小説がどれもつまらないというわけではなく、「赤い部屋」と「人間椅子」は――似た構造の話だけれど――楽しめた。なかでも前者はよく出来ていると思う。