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ネチケット史

ネチケットがどう変遷してきたかということを調べている。 とりあえず公立図書館で2001年までに刊行された関連書籍を集めてみたけど、多くは児童書で少数の表面的 Tips しか載ってない。ネットのことはネットで調べるのが良さそう。 例外的に以下は面白かっ…

高田里惠子『グロテスクな教養』

高田里惠子『グロテスクな教養』ちくま新書、2005年。 『文学部をめぐる病い』が戦前の男の教養主義に焦点を絞っていたのに対して、こちらはずっと幅広く近現代日本の多様な教養主義を扱っている。新書であることもあってか性格の悪さがよりストレートに文体…

宇野重規『保守主義とは何か』

宇野重規『保守主義とは何か:反フランス革命から現代日本まで』中公新書、2016年。 「保守主義」をそのライヴァルから規定されるものと捉え、フランス革命、社会主義、大きな政府、との対比に一章ずつを充てて描く。第四章では日本における保守主義(の欠如…

高田里惠子『文学部をめぐる病い』

高田里惠子『文学部をめぐる病い:教養主義・ナチス・旧制高校』松籟社、2001年。 幾人かの独文学者たちの蹉跌のさまを吟味して戦前の日本的教養主義の帰趨を描く。とりわけ中心的に槍玉に挙げられるのがヘッセの初の邦訳者にして戦時中には翼賛会文化部長を…

コルートス、トリピオドーロス『ヘレネー誘拐・トロイア落城』

3-6世紀に成立したトロイア戦争に関する叙事詩二篇。いずれもごく短いものでエピュリオンというジャンルに属するらしい。 ヘレネー誘拐・トロイア落城 (講談社学術文庫)作者: コルートス,トリピオドーロス,松田治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/02メデ…

M. デュラス『愛人』

マルグリット・デュラス『愛人』河出文庫、1992年。 愛人 ラマン (河出文庫)作者: マルグリットデュラス,Marguerite Duras,清水徹出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1992/02/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 55回この商品を含むブログ (47件) を見る

『プラトン全集』4巻

『プラトン全集』4巻、岩波書店、1975年。 『パルメニデス』『ピレボス』を収める。 『パルメニデス』 全体はケパロスの独白。ゼノン・パルメニデス・ソクラテスの間の対話を、その場に居合わせたピュトドロスがアンティポンに伝え、さらにアンティポンから…

西尾雄太『アフターアワーズ』1巻

西尾雄太『アフターアワーズ』1巻、2015年。 アフターアワーズ 1 (ビッグコミックス)作者: 西尾雄太出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/10/07メディア: コミックこの商品を含むブログ (4件) を見る

『プラトン全集』第3巻

『プラトン全集』第3巻、岩波書店、1976年。 『ソピステス』『ポリティコス』を収める。解説によれば、文体統計学的に見てこれらはいずれも後期対話篇に属し、とりわけ『ソピステス』は『パルメニデス』篇におけるイデア論の自己批判を受けて記されたもので…

志村貴子『青い花』第6-8巻

志村貴子『青い花』[Kindle版]第6-8巻、太田出版、2013年。 青い花(6)作者: 志村貴子出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/10/16メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 青い花(7)作者: 志村貴子出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/10/…

トノーニ&マッスィミーニ『意識はいつ生まれるのか』 / 志村貴子『青い花』第3-5巻

ジュリオ・トノーニ、マルチェッロ・マッスィミーニ『意識はいつ生まれるのか』亜紀書房、2015年。 志村貴子『青い花』[Kindle版]第3-5巻、太田出版、2013年。 トノーニの「意識の統合情報理論」については以下のレヴューも参考になる: 大泉匡史 (2014) 「…

志村貴子『青い花』第1-2巻

志村貴子『青い花』[Kindle版]第1-2巻、太田出版、2013年。 青い花(1)作者: 志村貴子出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/10/16メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 青い花(2)作者: 志村貴子出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/10/…

『プラトン全集』第2巻

『プラトン全集』第2巻、岩波書店、1974年。 『クラテュロス』『テアイテトス』を収める。なお後者はのちに岩波文庫にも入っている田中美知太郎訳。 『クラテュロス』 ヘルモゲネス・クラテュロスとソクラテスとの対話。名前の正しさを主題とする。まずヘル…

J. ラカン『二人であることの病い』

ジャック・ラカン『二人であることの病い:パラノイアと言語』宮本忠雄・関忠盛訳、講談社学術文庫、2011年。 初期ラカンの論文五篇を収める。後年の晦渋な比喩や図式がほとんど顔を出していないこともあって、全体的にクリアーに書かれている印象を受ける。…

川上洋平『ジョゼフ・ド・メーストルの思想世界』

川上洋平『ジョゼフ・ド・メーストルの思想世界』創文社、2013年。 メーストルの摂理主義を近代の神義論の系譜に位置づけ、それを土台に彼の主権論を検討する。晩年の教皇主義への転向は摂理主義の挫折として解される。 6/24 に読了したものを記録し忘れてい…

G. ドゥボール『スペクタクルの社会』

ギー・ドゥボール『スペクタクルの社会』平凡社、1993年。 50年代-70年代初頭のフランスで活動したシチュアシオニストの親玉ドゥボールの主著。アフォリズム集。特記すべきことなし。 参考: シチュアシオニスト・オンライン文庫 スペクタクルの社会 (ちくま…

平井玄『ぐにゃり東京』

平井玄『ぐにゃり東京:アンダークラスの漂流地図』現代書館、2015年。 東京で働く非正規労働者たちの生きざまを描くルポルタージュ。かつかつの仕事をこなし続ける派遣労働者の目線と東京の政治的・文化的地理をとらえる鳥瞰的な視線とが同時並行に伸ばされ…

『プラトン全集』第1巻 / 売野機子『しあわせになりたい』

『プラトン全集』第1巻、岩波書店、1975年。 売野機子『しあわせになりたい』白泉社、2013年。 『プラトン全集』第1巻 いわゆる第一テトラロギアに属する四篇を収める。『弁明』『クリトン』は岩波文庫の久保訳を持っていたので再読した形になる。 『エウテ…

M. デュラス『破壊しに、と彼女は言う』

マルグリット・デュラス『破壊しに、と彼女は言う』河出書房新社、1978年。 69年発表のテクスト。もっともそうであることは作品を読み終えてから知った。全体としてよく分からない。ステーン-アリサ-マックス・トルの間に一種の共謀関係が存在して、ともか…

伊波普猷『古琉球』

伊波普猷『古琉球』岩波文庫、2000年。 日本における沖縄研究の嚆矢。それまで時に意味内容さえはっきりとは知られなかったオモロや口碑・家譜を収集し、民俗学的に考究したもの。 いわゆる琉球処分に琉球と日本の政治的再結合をごく素朴に見出す態度が、同…

最近読んだ本

相変わらず不調。書誌情報を記すだけ。 ジョゼフ・ナイ『アメリカの世紀は終わらない』日本経済新聞出版社、2015年 前田愛『幻景の明治』岩波現代文庫、2006年 ソール・クリプキ『名指しと必然性』産業図書、1985年 内山勝利編『プラトンを学ぶ人のために』…

中井久夫『治療文化論』

中井久夫『治療文化論』岩波現代文庫、2001年。 今日の精神医学の営みを、広義の「治療文化」から捉えなおす試み。『西欧精神医学背景史』 を読み返す機会があり、水曜あたりにその参考文献として読んだ。『背景史』初読時は情報を満載した図表の数々に恐れ…

吉田『世論調査と政治』 / 岩本『世論調査とは何だろうか』 / 坂井『多数決を疑う』

吉田貴文『世論調査と政治:数字はどこまで信用できるのか』講談社+α新書、2015年。 岩本裕『世論調査とは何だろうか』岩波新書、2015年。 坂井豊貴『多数決を疑う』岩波新書、2015年。 世論調査本を二冊読んだ。世論調査の結果を用いるときは質問内容と調査…

坂井豊貴『社会的選択理論への招待』

坂井豊貴『社会的選択理論への招待』日本評論社、2013年。 社会的選択理論の概説書。第1章ではその歴史的背景(すなわちボルダとコンドルセの業績)を概観し、第2-4章では様々なルールを比較して利点と欠点を論じる。第5章はアローの不可能性定理を論じ、第6…

アセモグル、ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』

アロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』上下巻、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2016年。 国家間の経済格差はいかにして生じるのか、という問いをテーマとする。この問いには既に様々な観点からの解答が試みられており…

吉野俊彦『歴代日本銀行総裁論』

吉野俊彦『歴代日本銀行総裁論:日本金融政策史の研究』講談社学術文庫、2014年。 初代から第31代までの歴代総裁を個別に論じたもの。1976年の著作。以降黒田東彦までの総裁についての鈴木淑夫による簡潔な補論を付す。 歴代日本銀行総裁論 日本金融政策史の…

P. K. ディック『高い城の男』

フィリップ・K・ディック『高い城の男』ハヤカワ文庫、1984年。 62年の作。連合国が枢軸国に敗北した if を描く。秀作。しかし結末がよく分からない。 『易経』が本書においてたんなるギミックをはるかに越える役割を果たしていることは衆目の一致するところ…

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』講談社、2000年。 『純粋理性批判』の体系の構造を感性と悟性のせめぎあいという観点から解きほぐす入門書。 カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)作者: 黒崎政男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/09/0…

『プラトン全集』第10巻

『プラトン全集』第10巻、津村寛二ほか訳、岩波書店、1975年。 「ヒッピアス」大小二篇と「イオン」「メネクセノス」を収める。メネクセノスを読むついでに他を読んだ。 プラトン全集〈10〉 (1975年)出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1975メディア: ?この商…

マルセル・ゴーシェ『民主主義と宗教』

マルセル・ゴーシェ『民主主義と宗教』トランスビュー、2010年。 現代に至るライシテの歴史を政治的観点から辿ったもの。政治と宗教やアイデンティティ・ポリティクスなどについて今後考えることになった時に読み返す。 民主主義と宗教作者: マルセル・ゴー…

M. ヴェーバー『職業としての政治』『職業としての学問』 / 売野機子『同窓生代行』

M. ヴェーバー『職業としての政治』脇圭平訳、岩波文庫、1980年。 ――『職業としての学問』尾高邦雄訳、岩波文庫、1980年。 売野機子『同窓生代行』白泉社、2011年。 ヴェーバーの講演録は先々月読んだイェーリング同様見た目ほど簡単だとは思われないので、…

J-P. トレル『カトリック神学入門』

ジャン=ピエール・トレル『カトリック神学入門』文庫クセジュ、1998年。 著名なトマス研究者によるカトリック神学入門。論証や説明は少なく結論を簡潔に述べる形式の概説書で、何というか一冊目に読む本ではなかった。神学の基本に立ち帰るようつねに促す一…

岡義武『近代日本の政治家』

岡義武『近代日本の政治家』岩波現代文庫、2001年。 戦前日本を代表する五人の政治家、すなわち伊藤博文・大隈重信・原敬・犬養毅・西園寺公望の評伝。昨年同著者の『山県有朋』を読んだときには、こうした政治家の性格だとか心情を描いた伝記を読むことの意…

『岡義武著作集』第一巻

『岡義武著作集』第一巻、岩波書店、1992年。 「明治政治史 I」ほか三篇を収める。「明治政治史」は第二巻まで続く通史で、第一巻は第一議会の開設までを通論している。各階層・地位の人々が各々いかなる状況に置かれた結果いかなる行動を取ったかということ…

大戸千之『歴史と事実』

大戸千之『歴史と事実』京都大学学術出版会、2012年。 1章ではヘロドトス以前のギリシアにおける歴史叙述の萌芽が概観される。2-4章は、ヘロドトス、トゥキュディデス、ポリュビオスの歴史叙述を、古典学の成果を踏まえつつ近代的歴史理論の観点から検討する…

伊藤邦武『プラグマティズム入門』

プラグマティズム入門 (ちくま新書)作者: 伊藤邦武出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2016/01/06メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 伊藤邦武『プラグマティズム入門』ちくま新書、2016年。 パース・ジェイムズ・デューイといった古典的哲学者…